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仏法の立場から世法へ呼び掛け 大本山光長寺開基会法要で
仏法の立場から世法へ呼び掛け
大本山光長寺開基会法要で
岡宮の大本山光長寺(原井日鳳貫首)で5日、開基会法要が営まれた。
同寺を本山とする法華宗の寺から50人程の僧侶が訪れ、同寺の総代、世話人、八品講の人などと共に法要が厳かに行われ、国の平和と安全、併せてコロナ禍の収束を祈祷した。
法要に先立ち午前中にはコロナ禍で継目式をここに集約した、僧階が上がる辞令式が行われたことから、遠くは九州、四国、北関東からの僧侶の姿も。
当日は同宗派の宝とも言える宗祖御真蹟「二十八紙大曼茶羅」を開展し、その意味するところを考察した。
法要後、本堂に参集した人達を前に、原井貫首が仏法の立場から世法へ呼び掛けた。「空、海、山、川を汚す環境破壊から今の困難が生まれている。即ち利益優先の文明から人の命を大切にする文明への大転換を図らねば人間が滅びる」と警告し、「日本の不幸は官僚が国民に向き合っていないこと。衆愚政治に陥ってしまっていること。次々繰り出される事柄に対して疑問が募ってくる」とし、特に今のミヤンマー情勢にも触れ、「軍人が国民を殺す異常事態に、同じ仏教国の人間として心を痛めている。ミャンマー国民は日本人にSOSを出して頼りにしているのに日本の政治家は動かない」と憤った。「日本は本当はビルマ(ミヤンマー)に対して責任がある」とビルマ独立に際しての歴史的な経緯にも触れ、「実践仏教と非暴力を唱える仏様の子どもであるビルマ国民を殺すのをすぐにでも止めなければ」と危機感を募らせた。
開基会法要という大事な席で、あえて皆に訴えかけたのには理由があった。「儀式も疎かにはできない。しかし、人の苦しみをどのようにしたら取り除けるのか、仏教が、なぜ生まれたか、煩悩を断ち切ってではなく、煩悩という生きるエネルギーをそのまま信じる力に変えていく『心の蘇生』を図るべし。坊さんはお題目だけ唱えていればいいわけはなく、まさに『環境安国論』を実践していきたい」と強く語った。
8日には釈迦降誕会法要が行われ、「はなまつり」を祝った=写真。 なお同寺では「桜・光長寺」をテーマにしたフォトコンテストの作品を今月末まで募集している。
【沼朝令和3年4月15日(木)号】